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相続手続きは誰に頼むべき?税理士・司法書士・弁護士の役割と費用解説

2026年04月08日
法務税務
相続手続きは誰に頼むべき?税理士・司法書士・弁護士の役割と費用解説

相続が発生したとき「まず誰に相談すべき?」と迷う人が多い理由

相続手続きの相談先は一つではありません。相続税を申告する必要があれば税理士へ、不動産の名義変更が必要なら司法書士へ、相続人同士の争いが起きれば弁護士へ。

それぞれの専門家には法律で定められた業務範囲があり、「すべてを一人の専門家に任せたいのに、複数の専門家に相談する手間や費用が発生する」という現実に直面する人が多いのです。

本記事では、税理士・司法書士・弁護士の三者の役割を明確に整理し、あなたの相続ケースに合わせた「正しい専門家選び」をお伝えします。

滋賀県の場合、不動産の評価額がそのまで高くないケースが多く、預貯金をある程度持たれている方の相続税申告が多い印象です。それでも「現金が少なく、相続税の支払いや遺産分割で困ってしまう」というご相談は実際に存在します。相続が発生してから慌てて専門家を探すのではなく、事前にどの専門家が何をできるのかを把握しておくことが、スムーズな手続きにつながります。

税理士に頼むべきこと|相続税の申告・財産評価・節税対策

税理士は「税金の専門家」です。 相続が発生してから10ヶ月以内に相続税の申告と納付が必要なケースでは、税理士の役割が最初のポイントになります。

税理士が対応できる業務
  • 相続税の申告書作成
  • 被相続人の財産評価(現金、土地、建物、株式、事業資産など)
  • 節税対策の提案(小規模宅地等の特例の活用、生前贈与加算の検討など)
  • 遺産分割の税務上の有利な分け方の提案
  • 相続税以外の所得税・消費税の二次的な申告対応

相続税の計算には、不動産の適切な評価が不可欠です。同じ土地でも「路線価を使う評価」「固定資産税評価額との比較」「生前の投資状況」によって大きく変わります。税理士はこの複雑な評価を専門とし、適法な範囲で相続税を最小化するのが役割です。

費用の目安

相続税申告の税理士報酬は、遺産総額の0.5~1.0% が業界の標準相場です。

具体例

  • 遺産5,000万円の場合:25万~50万円
  • 遺産1億円の場合:50万~100万円
  • 遺産3,000万円の場合:15万~30万円

報酬は「基本報酬」と「加算報酬」に分かれます。基本報酬は相続財産の総額で決まり、加算報酬は相続人の数が多い、土地評価が複雑、事業資産がある場合などに上乗せされます。その結果、遺産総額の1%を超えることもあります。

重要: 税理士報酬は相続税の申告において相続財産から控除できません。つまり、相続財産から報酬を差し引いた金額が相続税の対象になるのではなく、報酬は「相続人が別途負担する費用」となります。

こんな場合は税理士へ
  • 遺産総額が3,000万円を超える見込み(相続税が発生しやすい)
  • 土地や建物を複数所有している
  • 事業を営んでいた被相続人
  • 株式や有価証券など評価が複雑な資産がある
  • 節税対策を含めたトータルプランニングを希望している

司法書士に頼むべきこと|不動産の相続登記・遺言検認

司法書士は「登記と書類作成の専門家」です。 特に、相続登記(不動産の名義変更)は司法書士が専門とする業務です。

司法書士が対応できる業務
  • 相続登記(不動産の名義変更)
  • 遺産分割協議書の作成
  • 被相続人と相続人の戸籍謄本・除籍謄本の取得代行
  • 遺言書の検認手続き(家庭裁判所への申し立て)
  • 相続放棄の手続き(家庭裁判所への申し立て)
  • 相続人調査

2024年の法改正により、不動産を相続した場合は原則3年以内に相続登記を行うことが義務化されました。 正当な理由なく登記申請を怠ると、10万円以下の過料に処せられる可能性があります。

司法書士は登記に必要な書類一式の準備から申請までを代理人として対応できるため、手続きの負担を大きく減らせます。

費用の目安

相続登記に関する司法書士報酬は、7万~15万円 が相場です。

費用の内訳

  1. 司法書士報酬:7万~12万円(基本)
  2. 登録免許税:固定資産評価額 × 0.4%(自動計算。報酬ではなく税)
  3. 証明書取得費:戸籍謄本・住民票など実費(1件数百円単位)

報酬は以下の要因で変動します。

  • 不動産の筆数が多いか(1筆と5筆では異なる)
  • 相続人の数が多いか(調査・書類作成の手間)
  • 遺産分割協議が必要か(協議書作成が発生)
  • 被相続人が長く住所変更登記をしていなかった場合(書類準備の手間が増加)

具体例

  • 持ち家1軒(1筆)、相続人2人、遺産分割なし→8万~10万円
  • 持ち家1軒+田畑2筆、相続人3人、遺産分割協議あり→15万円前後
こんな場合は司法書士へ
  • 被相続人が不動産を所有していた
  • 相続登記義務化に対応する期限内に手続きしたい
  • 戸籍の取得や遺産分割協議書の作成を代行してもらいたい
  • 相続放棄や遺言検認の家庭裁判所手続きが必要

弁護士に頼むべきこと|遺産分割の紛争・遺留分請求

弁護士は「法律トラブルの専門家」です。 相続人同士で争いが生じた場合、弁護士の出番となります。

弁護士が対応できる業務
  • 遺産分割協議の代理交渉
  • 遺産分割調停・審判の家庭裁判所対応
  • 遺留分侵害額請求の対応
  • 遺言の無効主張・遺言執行者の解任請求
  • 相続人に含まれるかどうかの碼認訴訟
  • 被相続人の多額の負債が判明した場合の相続放棄の法的アドバイス

弁護士だけが「代理人として家庭裁判所の調停・審判に出席し、相続人の権利を主張できる」専門家です。遺産分割協議がまとまらなかった場合、家庭裁判所を通じた紛争解決(調停→審判)が必要になりますが、この場面では弁護士が力を発揮します。

費用の目安

遺産分割に関わる弁護士費用は、以下の5項目から構成されます。

  1. 初回相談料:無料~1万円(無料事務所も多い)
  2. 着手金:20万~30万円(案件の難度・遺産規模で変動)
  3. 報酬金:経済的利益の10%前後(遺産を獲得した場合のみ)
  4. 日当:1日3万~5万円(複数回の裁判所出廷が必要な場合)
  5. 実費:5,000円~数万円(裁判所の手数料、郵送費など)

具体例:遺産分割調停で1,000万円を獲得した場合

  • 着手金:25万円
  • 報酬金:1,000万円 × 10% = 100万円(税抜)
  • 合計:125万円以上

ただし、相談料が無教の事務所も多く、紛争が調停で合意に至れば審判より費用を抑えられます。

また、支払い能力がない場合は「法テラス」の民事法律扶助制度を利用できます。この制度では弁護士費用を立て替えてもらい、勝訴後に分割返済することが可能です。

こんな場合は弁護士へ
  • 相続人同士で意見が対立し、遺産分割協議がまとまらない
  • 一部の相続人が遺産を独占しようとしている
  • 被相続人の遺言内容に納得できない(遺言無効を主張したい)
  • 遺留分侵害額請求を検討している
  • 家庭裁判所の調停・審判まで進行している

状況別フローチャート|あなたの場合は誰に相談すべき?

相続が発生したとき、最初に碼認すべきチェックリストです。

Q1:遺産総額が3,000万円を超える見込みですか?

  • YES → 税理士への相談が優先 相続税申告の要否判定と見積もりを取る
  • NO → Q2へ

Q2:被相続人が不動産を所有していましたか?

  • YES → 司法書士への相談が必須 相続登記義務化への対応期限を確認
  • NO → Q3へ

Q3:相続人同士で遺産配分について意見が割れていますか?

  • YES → 弁護士への相談を検討 紛争が大きくなる前に早期相談が効果的
  • NO → まずは司法書士で遺産分割協議書作成と手続き対応

Q4:被相続人に借金や負債がありましたか?

  • YES → 司法書士または弁護士に相談 相続放棄の期限(3ヶ月以内)を厳守
  • NO → 該当なし

実務上、寄与分に関するご相談を受けることがあります。「親の介護を長年してきた自分に、多めに遺産が渡るべきでは」という主張です。ただし、亡くなった後では親御さんの意向を直接碼認する方法がありません。寄与分を反映したい場合は、生前に遺言書などの形で明確に残しておくことが重要です。こうした事前対策の相談も、弁護士や税理士が対応できます。

複数の専門家に依頼するケース|「全部まかせたい」なら誰が中心?

相続では、税理士・司法書士・弁護士を複数依頼するケースが珍しくありません。

パターン別・複数依頼の現実

パターンA:標準的な相続(遺産3,000万円以上+不動産あり)

  • 主担当:税理士(相続税申告が最優先・期限が10ヶ月で最短)
  • 従担当:司法書士(登記は相続税申告後で OK。ただし登記期限3年以内)
  • 紛争有無で弁護士判断

パターンB:相続人間で紛争が起きている場合

  • 主担当:弁護士(調停・審判対応)
  • 従担当:司法書士(弁護士が合意に導いた後の登記対応)
  • 従担当:税理士(調停調書に基づいて申告書作成)

パターンC:被相続人が事業を営んでいた場合

  • 主担当:税理士(事業資産評価・節税対策が複雑)
  • 従担当:司法書士(不動産登記、事業用資産の整理)
  • 従担当:弁護士(事業承継と相続の兼ね合い、紛争回避)
複数の専門家を「スムーズに」連携させるコツ
  1. 最初の相談先を決める:相続税がかかる可能性が高い場合は税理士から始める。不動産のみなら司法書士。紛争が生じている場合は弁護士から。
  1. 各専門家が「他の士業と連携できるか」を碼認する:良い事務所は協力関係を築いています。相談時に「不動産登記も必要になるが、司法書士を紹介してもらえるか」と聞いてみましょう。
  1. 情報共有を明確にする:複数の専門家に依頼した場合、相続財産の情報が重複取得されます。一人の専門家が取得した戸籍謄本を他の専門家と共有することで、手間と費用を削減できます。

まとめ

相続が発生したときの専門家選びは、「遺産規模」「不動産有無」「紛争有無」の3点で判断します。

  • 税理士:相続税申告と節税対策。遺産3,000万円を超える場合が目安。報酬は遺産総額の0.5~1.0%。
  • 司法書士:不動産の相続登記と書類作成。2024年の義務化で相続登記は必須対応。報酬は7万~15万円。
  • 弁護士:遺産分割の紛争解決。調停・審判を通じた解決が必要な場合に依頼。報酬は着手金20~30万円+成功報酬。

複数の専門家が必要になる場合は、相続税が発生するかどうかで「最初の相談先」を決め、その専門家と連携する他の士業を紹介してもらうのが効率的です。

相続手続きの専門家選びでお悩みの方へ

滋賀県草津市に拠点を置いており、草津市・大津市・守山市・栗東市・彦根市・近江八幡市など滋賀県全域の相続に対応しています。

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