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数次相続が起きた場合の登記手続

2019年05月23日
法務

【2026年4月 最終更新】2024年4月施行の相続登記義務化が数次相続に与える影響を追記しました。

不動産などの登記名義人の死亡により相続が開始し、相続人への名義変更が未了の間に相続人まで死亡してしまうケースがあります。このように相続が複数発生することを数次相続といいます。

今回は数次相続が発生した場合の登記手続をご紹介します。

 

 

 

数次相続とは

不動産などの登記名義人の死亡により相続が開始し、相続人への名義変更が未了の間に相続人まで死亡してしまう事を数次相続といいます。

 

 

以上参考のケースは、過去にAさんが亡くなった際、名義変更などの手続きを失念しており、今回Bさんの相続時点でAさんの名義がそのまま残っている事に気付きました。

このように数次相続とは名義変更手続きをしないうちに相続人が亡くなってしまい、世代をこえて相続が開始したケースを指します。

数次相続における登記手続き

数次相続が発生した場合、第一の相続につき名義変更を行った後、第二の相続につき名義変更を順次行うことが原則となりますが、中間の相続が結果として単独相続となる場合には直接最終の相続人へ名義変更をすることができます。

以下では具体的なケースをご紹介します。

相続順通りに名義変更が必要なケース

 

 

まずは第一の相続、第二の相続を順次行う必要がある例を見てみましょう。

 

不動産の登記名義人であるAさんが死亡し、相続が開始しました。

Aさんの相続人は、Bさん(妻)及びCさん(子)ですが、Aさんの遺産である不動産について遺産分割協議を行わず、名義変更の登記も未了のままになっていました。

そのうちBさん(妻)も死亡し、数次相続が発生しました。

 

このケースでは、まずAさんの相続につき、亡Bさん(妻)とCさん(子)が法定相続分2分の1ずつの割合で不動産を取得する相続登記を申請し、その後Bさん(妻)の持分2分の1をCさん(子)が取得する相続登記を申請します。

最終的に子Cさんの単独名義になるにもかかわらず、登記の申請としては2件必要となります。

最終相続人への直接名義変更が可能なケース

 

 

次に直接最終の相続人へ名義変更をすることができる例を見てみましょう。

 

不動産の登記名義人であるAさんが死亡し、相続が開始しました。

Aさんの相続人はCさん(Aさんの子)のみであり、CさんにはDさん(Cさんの子)がいました。

 

Aさんの不動産について名義変更が未了の間にCさん(Aさんの子)も死亡し、数次相続が発生しました。このケースでは、Aさんの相続につきCさん(Aさんの子)が単独相続しており、中間の相続が結果として単独相続となる場合にあたります。

実態としては、AさんからCさん、CさんからDさんへの2つの相続が発生していますが、このケースではAさんから直接Dさんへ相続登記を申請することができます。

単独相続となるケース

なお、中間の相続が結果として単独相続となる別のケースとしては、遺産分割協議により1人が相続した場合、相続の放棄により1人が相続した場合等があります。

遺産分割協議による単独相続

 

 

Aさんの相続時に名義変更が失念されていたものの遺産分割協議は行われており、今回亡くなったBさんが単独で所有していたものと認められるケース。

ただし、これは現実的にはあまりない事例のように思われます。

→遺産分割協議についてはこちら

相続放棄による単独相続

 

 

Aさんの相続時にBさん以外 の他の法定相続人が相続放棄をしたため、今回亡くなったBさんだけが単独で相続したと認められるケース。

→相続放棄についてはこちら

 

 

直接最終の相続人への名義変更が可能か否かの判断も含め、どのような登記手続が必要になるのか専門家へご相談下さい。

相続登記の義務化と数次相続

2024年4月1日から、相続登記が法律上の義務になりました。不動産を相続で取得した人は、取得を知った日から3年以内に登記を申請しなければなりません。正当な理由なく期限内に申請しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。

数次相続のケースでは、何代にもわたって登記が放置されていることが少なくありません。この義務化は2024年4月1日より前に発生した相続にも適用され、その場合の期限は2027年3月31日です。

数次相続の場合、何をすればよいか

まずは、どの代の相続登記が未了なのかを確認することが最初の一歩です。登記簿(登記事項証明書)を取得すれば、現在の名義人を確認できます。

数次相続では相続人の特定だけでも戸籍の収集に時間がかかるため、経過措置の期限を見据えて早めに専門家にご相談ください。前述のとおり、中間省略登記が可能なケースもあり、手続きの負担を軽減できる場合があります。

なお、相続した土地が不要な場合は、2023年4月にスタートした相続土地国庫帰属制度を利用して国に返還できる場合もあります。一定の条件がありますので、選択肢の一つとして専門家にご確認ください。

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